当ブログについて

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当ブログでは主としてプラレールに関する内容を中心に
鉄道、旅行、アニメ、動画製作、創作物語とジャンルを問わず、日々の生活振りを記録してまいります。

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プラレール運転会などの記録も残ってますよ、奥さん。


これから作っていければいいなって思ってます。
[ 2030/08/06 00:00 ] はじめに | TB(-) | CM(0)

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「朱夏ー、遅刻するわよー!!!」
お母さんのいつもの声で二度寝から少し慌てて起きる。この春に購入した春モデルの携帯を確認すると、ディスプレイにはデジタル文字で0722と表示されていた。
「あああああああ!!!!これ絶対間に合わないって!!!!!お母さんなんで起こしてくれなかったの!!!!!!!!」
急いでパジャマを脱ぎ捨て、昨日出しておいた新品のセーラー服に袖を通す。嗅いだことのない洗剤の良い匂いがどこか新鮮で、実は知らない世界の、いうなれば違う世界線にいる私の匂いのような、私で他人の感じがした。なんだろう、この感覚は------

「朱夏、朝食は!?」
「食べてたら間に合わないから要らない!!!」
髪をとかしながら一気に階段を駆け下りる。リビングでコーヒーをすすっていたお父さんがいかにも「朝から騒がしいやつだ」といわんばかりの視線を送ってきたが、そんなこと気にしている余裕はない。朝食には目もくれず、ただ匂いでイチゴジャムだと分かるまでそう時間はかからなかった。イチゴジャムかぁ、大好きなんだけどなぁ....
とにかく今は遅刻寸前のこの危機的状況をどうにか打破しなければいけない、と甘い誘惑を振り切って、玄関で卸したばかりのローファーに足を入れる。まだ硬い生地が足に馴染むのはしばらく先だろう。はやく馴染めばいいのだけれど。
「それじゃあ、いってきまーす!!!」
私は大きな声でそう言うと、玄関の扉を勢いよく開けた。



「----と、いうわけで、最後にはなりますが、転校生の紹介デス!」
先生がそういうと、教室内が一気にざわめいた。まぁそりゃあ転校生がやってくるってなったらこんなものなのか。私が3年前にこの街にやってきた時もこんな感じだったっけ、なんてことを思い出して、少し可笑しくて笑った。後の五月蝿い男子軍からは「女の子!?可愛い!?」だとか、少し前のほうにいる女子軍からは「どんな子かなー?」なんて会話が聞こえてくる。前の席に座る男子なんか「おろろろろろろろろwwww」と訳の分からない雰囲気を醸し出している。こんなクラスでこれから1年やっていくのかと思うと、楽でよかったと思う反面、ちょっとメンドクサイって感じてしまった。
「じゃあ、村崎さんはいってきてー!」
扉が開き、学校の制服ではない、ちょっと古いデザインではあるものの可愛いセーラー服を来た小柄な女の子が一人現れた。その女の子はゆっくりと歩いて教壇の前に立つ。教室が静まり返っているのは、その見慣れないセーラー服と、同い年かと疑ってしまうくらい幼い顔立ち、それに反して突飛した胸が原因だろう。
「えっと.....村崎 朱夏です。先週引っ越してきたばかりでまだ慣れないことばかりですが、宜しくお願いします。」
幼い顔に小柄な体と反し、凛とした大人の立ち振る舞いを見せ付けられ、教室の空気が一瞬止まったものの男女問わずにどっと沸いた。「おっぱいでけー!!」だとか「ぐうかわ!!!」とか「すごーい可愛いー!!」などといった黄色い声が飛ばされている。ソレに反応して朱夏と名乗った彼女はちょっと照れくさそうに下を向いた。

「村崎、朱夏です、宜しくお願いします。」
しばらくして彼女が隣の席に座った。本来なら男女交互だったり出席番号だったりするのだが、たまたま空いていた席が私の隣だったという、なんだこの漫画にありがちな。
「あー、わたし砂川、砂川 ひかる。よろしくね。」
とりあえず挨拶がてら自己紹介をするのだが、目線はやはりその胸にいってしまう。同じ女子でもこんなにも違うものか、と自身のすっきりした胸と見比べて、ちょっと虚しくなる。いやいや、普通に考えればこれくらいなのだ。14歳の発育なんてそんなものだ。いやそんなものであると信じたい。信じなければいけない気がした。
と、胸を見ている中でふと彼女が指輪をしているのをみた。校則が色々厳しいうちの学校で転校初日からそんな度胸試しというか。3年の生徒指導の先生めちゃくちゃ怖いって評判なのに、知らないとはいえすごいなぁ。
「えっと、村崎さん......その指輪.......」
「えっ.......あれ.......砂川さん、コレが見えるの?」
そうって指にはめていた指輪をゆっくり外して見せてくれた。シンプルなシルバーリングなのだが、リングの一部に小さなハートの刻印が2つ掘られていた。どうやら可愛い子は趣味も可愛いらしい。
しかし彼女は何をいっているんだろうか。"コレが見えるの?"っていわれても、むしろ見えない人がいるのだろうか。
すると驚いた顔をしていた彼女は、私の顔を覗き込んでこういった。
「ねぇ砂川さん.....今夜、ちょっといい?」
[ 2015/07/21 20:49 ] はじめに | TB(-) | CM(0)

-1

「・・・・っ!!!」
かれこれ彼女の攻撃を避けてどれくらいの時間がたっただろうか。
どちらかといえば戦闘向けとはいえないフリルのスカートは思った以上に重く、長時間の戦闘と過度な行動は膝と足首に地味ではあるものの負担が蓄積される。攻撃を避けるために壁の陰に入った時にようやく私の動きが遅くなっているにも関わらず、トドメをさそうとせず、逃げる鼠をいたぶるかのような笑みを見せながら私がかわせるギリギリを狙って攻撃を放ってくる。本当にドSだ。

「ねぇ、もうオワリなの?もう少し楽しませてよ、選ばれし魔法少女さん....!!」
まるで悪魔のような低く、しかし甲高い声が廃墟と化した街に響く。もうこの街には誰もいない。私が通っていた学校も、クラスメイトも、お父さんも、お母さんも。見慣れた景色はすべて彼女に壊された。

「ねぇ・・・・・・福遠さん・・・・・・・・」
陰に身を小さくし息を整えながら私は彼女に問いかける。
「どうして・・・・どうしてアナタは・・・・・っ!!!!」
向こうから私は見えていないはず。だが声を頼りに彼女は一撃を放ってきた。私はまだ整いきれていない息を飲み込んで、強くアスファルトを蹴る。蹴った箇所から蜘蛛の巣のように日々が入り、まるでガラスが割れるかのような、しかしながらソレとは思えない鈍い音が響く。
「私と一緒に戦うっていってくれたじゃない!!!でも実際、アナタは私の敵で、私を裏切って・・・・・」

地方から東京にやってきた私に最初に声をかけてくれたのが彼女で、同じ魔法少女として週末は"リーヌベージ"と呼ばれる正体の分からないナニかと戦い、人々の知らないところで街を守ってきた。この世界を守ってきた。
それは人々に褒めてもらえるわけでもない。人々の知らないところで私たちが死ぬかもしれない。そんな世界で孤軍奮闘していた私にとって、仲間という存在はとても心強く、そして頼もしくも感じていた。
『一緒にリーヌベージを倒していって、いつか普通の女子中学生として楽しい日常を送ろうね!!』
私と彼女、そして偶然にも私たちが魔法少女だということを知った砂川ちゃんの3人はそう決意し、今日まで戦ってきた。
それなのに、最後の敵が仲間だと思っていた彼女で、砂川ちゃんは彼女に.........

「裏切った?・・・・っはははは!!!面白いこというのね!!!私は一度もあなたを裏切っていないわ。」
「・・・・?」
「最初からあなたを利用していただけ。仲間だと思って裏切られたと勝手に感じているのは、らいぷらちゃん、アナタだけよ。」
その言葉が耳に入ってきた瞬間、私の目頭は熱くなり、攻撃をかわし、電柱を勢いよく上り、さらに蹴り上げて彼女に肉薄し、右手を振りかざした。唯一である武器はもう使えない。でもこの怒りを彼女にぶつけることはできる。逃げていた時とは比にならない速度で彼女の右側。すなわち彼女の死角に入り込み、そして拳を振りぬいた----
「・・・・!?」
彼女の右腕は先の戦闘で私の放ったサガミオオノ・ソードで切り落とし、まして彼女が右利きであることを把握していた。なのに彼女は体を逆に捻り、左手で私の拳を制したのだ。
「あら、私こう見えても元々左利きなのよ。」
冷たく言い放った彼女は次の瞬間、左足を振り上げ、そして伸びきった私の右腕めがけて振り落とした。私の右腕に激痛がはしった。と、思えばもはや腕として機能しなくなったソレをもったまま私自身を投げ飛ばした。驚きと激痛に板ばさみされた私はとっさに受身をとるのが遅れてしまい、鉄筋コンクリートに打ち付けられた。

「・・・・っつ・・・・・・!!・・・・・・・・・」
打ち付けられた全身の痛みと、その何倍の激痛がはしる右腕を庇う。いよいよこれはもう.......
そんな私をみて、彼女がゆっくりと息を吸う。
「さて、そろそろ終わらせましょうか・・・・・・・魔法少女のスベテを・・・・・・・・」
[ 2015/07/19 23:58 ] はじめに | TB(-) | CM(0)

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地元に戻ってきたのは昨年、浅木が親戚の葬儀に出席する際に休みを取って一緒に帰省した以来だ。
この街は便利でも不便でもない普通の街だったのだが、22歳から昨年までの4年間訪れない間に街並みはだいぶ変わっていた。駅のいたるところで工事が行われ、駅の正面にあったビルもリニューアル工事だかが進んでいた。のだが、1年たった現在はそれらの工事も終わり、ガラス張りの高層ビルやショッピングモールが並び、駅前ロータリーも綺麗で大きなものに変わっていた。あるビルのテナントには東京で有名な菓子屋なんかが入っている。良い意味で変わった地元を目の前に、竜宮城から戻ってきた浦島太郎の気持ちが少し分かった気がした。

「会場、駅横のあのホテルだよね....?」
浅木がどことなく目線をやりながらそう言った。その表情は少し満足げで、どうやらハマっていた携帯ゲームをクリアできたらしい。が、ソレとは対照的に発した言葉には重さを感じた。その言葉を下に引っ張っている原因はおおよそだが予想は付いている。しかしそのバッグを持って同窓会に参加すると決意したからには、もうソレは吹っ切れたんじゃないのか。
時間もちょうどなので、このまま会場まで行こうとすると、後のほうから浅木を呼ぶ声が聞こえてきた。振り向くとドレスを来た女性が2人。どうやら同級生らしい。俺は「いってこいよ」と浅木の背中を軽く叩いて見送った。どうやら会場までは一人でいくしかないようだ。





「さゆりー!!久しぶりだね、どれくらい振り!?」
薫に背中を叩かれた私は「じゃあまた後で」と言葉を残し、不安を引き連れたまま、同じテニス部だった優梨子と莉奈と合流した。莉奈は旦那との間に2人の娘を授かり幸せ真っ最中の主婦。優梨子はバツイチながら2人の娘を育てるシングルママだ。2人ともこの地元でそれなりの人生を送っているみたいで、時々LINEで近況報告がてら当時の仲間の話を聞く。優梨子はどちらかというと男に飢えているようで、今回の同窓会でいい男を引っこ抜いてやる!!と数日前活き込んでいた。どちらかというと経済的な不安と幼い娘達を育ててくれる支えが欲しい、という感じで下心はない、と信じたい。

「てか、さっき一緒にいたのって、もしかして水蓮寺くん......?」
「え、あー、うん。」
莉奈にそう言われて、あれが薫だと教えたくなくて、でも同窓会にいけばバレるな、と諦めて言葉を濁しつつ答えた。あれ、なんで私本当のこと言いたくないって思ったんだろう。別に私の彼氏でもなければ、莉奈には旦那がいるっていうのに。
「え、まじ!?あのオッサン!?嘘でしょ!?」
やっぱり、と納得した顔の莉奈とは対照的に、優梨子はその驚きを隠せず、競争で亀に負けた兎のような顔をしていた。それをみて私も莉奈もクスっと笑った。
「えーなにアイツ東京いったらあんなにイケメンになって、しかもスタイル抜群の美人のさゆりと7年も一緒に暮らして、でも彼氏でも旦那でもないってなんなの!?え、なんなの!?二人は何がしたいの!?どういう関係なの!?セフレなの!?なんなら私にも頂戴よ!!!!!」
「もー、優梨子人前でみっともないよー(笑)」
優梨子は血眼にして私に問い詰めてくる。その形相はまるで般若のような、どこか愛くるしさがある。
「薫とはなんだろうね、セフレかもしれないし、友達かもしれないし、彼氏かもしれないし.....ワカンナイや(笑)」
私はそう誤魔化し、引き連れていた不安を少しだけ置いて、2人と一緒にホテルへと歩き出した。

道中も優梨子は羨ましいだのその立場交換してくれだの、しまいには既成事実をつくって旦那として迎え入れようとまでいっていた。もちろん私も莉奈もそれが冗談だと分かっていたので、笑ったり、どうしたら攻略できるか、なんてくだらない話をした。一方で莉奈は美男美女でお似合いだよ、と言ってくれた。確かに薫はカッコイイ。中学の時にはこんなこと思うわけがなかった。
その他にも莉奈の家庭の、私たちからすればノロケ話を聞かされたり、優梨子は騙された男の愚痴と、でも娘達は可愛いと話してくれた。2人とも今をしっかり生きているようで、どこか活き活きとしている。

「ようこそ、アルマークホテルへ」
会場であるホテルのフロントで同窓会への参加の旨を伝えると、会場となる部屋まで係員が案内してくれた。しかしホテルの名前といい、この係員の声がどうも先ほどクリアしたゲームにでていた声優の蒼月昇に似ている気がしてならないのだが。
「お兄さん、いま彼女とかいるんですか?」と悪ノリで優梨子が問い、莉奈がそれを制した。学生時代よくみた光景にどこか懐かしさを感じ、出発前の不安と緊張は大分なくなっている気がした。そうだ、何かあっても私には彼女達がいてくれるんだ。
そんな優梨子の質問に戸惑い、笑いながらも、エレベーターであがった33階のパーティールームへと案内された。今更帰ることはできない。今夜は今夜で楽しもう。そう腹をくくって扉をあけた。
[ 2015/07/16 18:34 ] はじめに | TB(-) | CM(0)

1-2



「ちょっとー、私のポーチしらない?」
家を出る時間ぎりぎりになって特別な時に使っていたポーチが見当たらないことに気づいた私は
洗面台で髭を剃る薫に聞いては見るものの、返事がない。

7年という月日はとても長い。かつては3ヶ月だけお世話になるつもりが気づけば半年を過ぎ、さらに生物的本能とでもいうのだろうか、性交をしてしまって以来、薫とは腐れ縁だ。
客観的にみれば付き合いの長い婚期を逃したカップルと思われても可笑しくはないが、別に私と薫は付き合っていないし、ただお互いが生きていく中で足りない欲求を補い合っているだけの関係である。それ以上でもそれ以下でもない、と自分自身に言い聞かせつつ、この同居生活を過ごしてきた。

話を元に戻そう。紛失したポーチだが、基本的に私が使った後に薫が片付けたことは間違いない。自分でいうのもアレだが、私は片づけが苦手だ。女子だから出来て当たり前とか言われてもそんなことは断じてない。自信をもち大きな声で「私は片付けが苦手だ」といえる。
それとは対照的に薫は軽度ではあるものの、散らかっているのが大嫌いな性格である。男だから実は気にしないタイプじゃないか等と言われても私が知ったことではない。とにかく常に綺麗でなければ嫌だというタイプだ。中学から現在に至るまで性格も価値観も身体も相性がいい私と薫だが、この点だけは不思議と相違がみられる。
つまり7年間で増えた私物を、良くも悪くも勝手に片付けるのは薫なわけで、収納場所は薫しか知らないのだ。

「ねー、私のポーチ!!」
クローゼットを漁りながら更に声を張るが返事はない。屍のようだ。
と、去年親戚の葬儀に着た喪服の奥に見覚えないショルダーバッグを捕らえた。古いデザインではあるが一度も使われた形跡がなく非常にきれいな状態だ。どこかで見たことがあるような気もするのだが思い出せない。ただ思い出せるのは同居がはじまった当時の荷物の中にはこんなバッグをもってきた覚えはない。すると同居開始以降に買ったものなのだろうが、思い出せる限りの記憶を辿っても買った覚えはない。かといって薫のものとは思えない。

「おい、もう出ないと新幹線間に合わないぞ」
「あ、うん.......すぐ行く。」
返事のない動く屍が支度を済ませたらしい。とりあえず見つからないポーチの代わりにこのバッグを使うことにして急いで荷物をまとめる。そんなに大荷物というわけではないので時間はかからない。
しかしながら薫はカッコイイ。成人式で再開するまでそんなこと一切思ったことなかったのに、いち早く東京に出て垢抜けたのか、それとも東京で何か悪い物でも食べてしまったのか、自分にあうオシャレという技を覚えたようで、特にこの3~4年は年齢と顔が一致してきたこともあって、完全な大人の男の風格がでていた。中学時代はオッサンだの言われていたのに。
(同居の話がなければきっと薫とゴールインしてたんだろうな.....)
玄関で普段より少し低めのヒールを履く。
(....でも同居してなきゃ薫の魅力に気づかなかったんだろうな..........)
なんて事を考えながら、玄関の鍵を閉める。念の為言っておくがココは薫のアパートであり、そして私は彼女でも奥さんでもないのだが。





新幹線の車内、浅木はずっと携帯電話に支線を落としていた。どうやらハマっている携帯ゲームがもうすぐクリアできるらしい。
同窓会には出来れば行きたくなかったのだが、一部の人間は僕と浅木の同居の話を知っているから、浅木が行くのに僕が行かないというのもいかがなものかと思った。てっきり浅木も行かないものだと思っていたからこれはまさにノーマークだった。
しかしながら浅木は美人である。中学ではテニス部部長ということもあって目立っていたし、高校では話を聞く限りモテていたようで。どちらかというと当時から子ギャル路線だった浅木は、若さという元気があった成人式前と比べると、東京の人混みに揉まれ、社会という沼にはまったようで、この7年で随分と変わった。大人しい女性という印象だ。控えめながらも確かな胸の膨らみと落ち着いた栗色の髪は肩甲骨あたりまで伸びていて、外に出れば通り過ぎる人はみな、浅木をみる。正直な話、一緒に歩いていて悪い気分ではない。

「そういえばお前、そのバッグ......」
と、口に出す寸前で一度とまる。浅木は携帯ゲームの攻略に夢中で、おそらくここで話しかけると色々と面倒なことになるだろう、という結論に至ると、言葉を飲み込んだ。まさか同窓会で浅木がそのバッグを使うとは思わなかったのだが、参加宣言といいこのバッグを使っているあたり、おそらくアレはもう気にしていないのだろう。
(女って強いなぁ.......)
そんなことを考えていると、新幹線はトンネルに入っていった。

[ 2015/05/14 10:28 ] はじめに | TB(-) | CM(0)