12-お願い.......たすけて.............

「青軌道鉄道関連企業改編法案 衆議院本会議にて可決.....か」
UR本社、鉄道事業部長室で押売新聞に目を通しながら樋口がボヤいた。
今夜の終電後夜間作業の為に出勤してきた樋口は、日中の出来事について知らない。が、部下伝いでそれとない事を耳にしていたようで、やはりといった具合だった。
ソファーの向かい側には、対極的に顔色が真っ青な小沼と青山が並んで座っている。

「あの、これってつまり政府が介入して、中小企業を減らそうってことですよね?」
会議の場にいながらも、上手く話が飲み込めずに居た天王州は誰となく尋ねる。
「簡単に言っちまえばそういうこった。まあ近年は多種多様な事業者が現れては消えていくって繰返しだったし、当然の帰結点っちゃあそうかもしんねえんだけどなあ」
江戸っ子べらんめぇ口調と低い声色が特徴的なその声の主である樋口が答えた。
「でも政府がこれを実現させたところで何の得があるんでしょうか?私にはむしろ、対象民間企業から恨みを買うようにしか思えないんですが......」
こりゃあ俺の感、なんだが.....と、前置きした上で、新聞を机に置いた樋口が説明を始めた。



[ 2016/03/01 19:56 ] OS | TB(-) | CM(0)